「誰のリアリティにも迎合せず、自分自身のリアリティを貫ける意志力」
「ボブ・ディラン インタビュー大全」から引用します。
〈2006年〉
誰のリアリティにも迎合せず、自分自身のリアリティを貫ける意志力
ほら、個として最後のパフォーマーっていったら誰だいーーエルトン・ジョンくらいかな? 俺は、誰のリアリティにも迎合せず、自分自身のリアリティを貫ける意志力を持ったアーティストのことを言ってるんだ。 バッツィー・クライン とビリー・リー・ライリー。プラトンとソクラテス, ホイットマンとエマーソン。スリム・ハーポとドナルド・トランプ。
〈2009年〉
建設工事の旅
一九八八年に始まったネヴァー・エンディング・ツアー以来、ディラン(68歳)が年間百回以上のコンサートをこなしていると評論家たちは主張している。ディランはその名称に対して憤りを隠さない。
「評論家たちは永久のものなんて存在しないと知るべきだ。だから何か重要な意味でもあるように、このフレーズを使う人の性格を表しているようなものだ。オーラル・ロバーツやビリー・グラハムがネヴァー・エンディング説教ツアーに出ているなんて聞いたこともない。ヘンリー・フォードをネヴァー・エンデ イング自動車製造王って呼ぶ人なんて聞いたことあるかい? ルパート・マードックはネヴァー・エンディング・メディア王か? ドナルド・トランプはどうだ? 彼のことをネヴァー・エンディング建設工事の旅に出ていると言う人なんていないだろう?
手に職を持つ誰もが好きなだけ長く働けるはずだ。 溶接工、大工、 電気工事士も、引退が必要とは限らない。組み立て工場で働いている人や何か単純な重労働をしている人は、毎日退職のことを考えているかもしれない。誰もが手に職を就けるべきだ。これは単純な労働とは違う。俺の音楽は、昇進や配置換えをして早期退職するため のものではない」
ドナルド・トランプは、大統領になる前から、ボブ・ディランに注目される人物でした。