から引用します。（出版・販売に感謝申し上げます。）

裁きの思いに満ちた競争や、恐れ、疑い、不信等々は、自らの素晴らしさを誇示しようとする人間の創り出す副産物なのです。

人間の傾向として、霊的探究の道を 「自己改善」の道と見やすいのです。 しかし、不幸なことにその道は、人をしてもっと自己中心とならせ、自分のことだけに夢中にならせ、自分のことしか考えないようにしてしまうのです。

結果として、 自分がいかに素晴らしいかを見せ、それを誇ろうと試みるのです。 裁きの思いに満ちた競争や、恐れ、疑い、不信等々は、本人が気づいているかどうかにかかわらず、自らの素晴らしさを誇示しようとする人間の創り出す副産物なのです。 

このような恐れに満ち、 不安定な自信を持ち、巨大なエゴ (これは 自作の妄想である)を持った人々は本当の意味の一体化をなすこと ができず、 真実に他のために存在することもできず、真実にかつ十分に他を愛することもできず、 幸せになることもできない

ハナニムの絶対善の威厳の前に、 自分を完全に委ねて行く道が、真の自由を得る道なのです。

霊的探究の道とは、大きく「成長する」道ではなく、実はより深くなって行く道であり、自分のエゴを捨てて、「神の前に委ねる」道であり、「自分の中から自分 (エゴ) を空っぽにする」道であり、「死んで再び活きる」 道でした。 ハナニムの絶対善の威厳の前に、 自分を完全に委ねて行く道が、真の自由を得る道なのです。

エゴの手から自由になって初めて、私たちの本来の温かく、慈悲と愛に満ちた心情が輝きわたるでしょう。

絶えず、 自分を拡大しようとする傾向を抑えることにおいて油断してはなりません。

真に自ら(自分の憎しみ、怒り、貪欲等々)を自らから放棄することによってのみ、真に自由になることができます。 私にしがみつき、手を握り、引っ張ってくるエゴの手から自由になって初めて、私たちの本来の温かく、慈悲と愛に満ちた心情が輝きわたるでしょう。

本心の愛したいという本性の中に安息することができるために、本当の安心を得ることができます。

私たちが常に自分のエゴを空(から) にする努力を一生懸命にやれば、自然に本心から 「垢(あか)」を取ることができます。 もしも私たちが、自分のことだけに気を使っていると、 何をやってもう まくいかない日とか、 些細(ささい)な議論、一つの批評や批判等 によって完全に圧倒されてしまいます。 全くくだらないことが拡大されて、破滅に瀕する世界をつくり出してしまうのです。 しかし私たちが、もっと他者のことを思いやれば——これは本心の自然の傾向なのですが——私たちはこの歪みと、それが生み出す苦しみから解放されることができるのです。 もしも私たちが、他者の痛みをいつも心に抱き、また頭に描くならば、たとえうまくいかない日でも 「世界の終わり」ではなくなるのです。

私たちの内に自然に備わっている、他を愛し助けようとする傾向性が、心の安定性の源泉です。本心の愛したいという本性の中に安息することができるために、本当の安心を得ることができます。

これが、真の主人意識ということです。

これが、真の主人意識ということです。 私たちが「自分」の苦しみだけを見つめるならば、私たちは絶望感と弱さから行動するよう になります

しかし、他者のために生きるという選択をすることにより、本心の愛から由来する内的な強さによる自信を得ることができます。