（永田正治「先生」でなく永田正治「氏」としたのは、ご本人の希望です。）

韓氏オモニが８月１７日、鄭元周氏に読み上げさせた、「地上の真のお母様が天上の真のお父様に捧げる書信」は、違和感を禁じ得ません。まず、アボニムは、栄光のメシア・キリストです。アボニムは、どんなにつらい死を迎えられても、十字架で悲惨に死したイエス・キリストのように、至高の価値と、復活し、霊肉界に比類ないみ力をもたれる救世主です。

そして、アボニムは、今、現在も、私たちを救い、教会を導き、世界を救済する歩みを先頭きって進んでおられる方です。クリスチャンのイエス・キリストに対する信仰も同じです。信仰深いクリスチャンは、全ての事が主イエス・キリストによって導かれていると考えます。２０００年前に聖和したキリストは、今も人々を導いているのです。

しかし、この書信から、そのようなメシア観は一切うかがえません。アボニムが、聖和を前にして、苦しまれる姿を伝え、韓氏オモニに後事を託したと強調していますが、どこにも、メシアとしての栄光と、限りなきみ力をもたれるアボニムを感じられません。家庭連合のみなさん。こんな愚かなメシア観で、アボニムがあなたを救えると思いますか？ 教会を導けますか？ 世界を救えますか？

書信には、アボニムが、「オンマ、ありがとう！オンマ、頼んだよ」。お父線は息苦しそうにされながらも、「本当にすまない。本当にありがとう」と言い、そして韓氏オモニが「何も心配しないでください」と言葉を返し、聖和された。聖和3周年に、韓氏オモニは、アボニムが、孤独な神様を慰労し、頌栄の対象として自由の身となられることを願った。そして、2020年までに7カ国の国家復帰を勝利することを決意した、と書いてあります。

すなわち、アボニムは霊界だけの役割をなさり、地上においては、人を救うことも、教会を導くことも、世界を救済することもありません。それは全て韓氏オモニに託したということになってしまいました。

しかし、真実は、アボニムは時空を超越し、今、あなたを救い、教会を導き、世界を救済していらっしゃるのです。アボニムが、必死に地上における摂理を成そうと歩まれているのに、書信では、その真実を覆い隠してしまいました。

そもそも、霊界で孤独な神を慰労し、頌栄の対象になり自由に生きる、などというメシア観はおかしいと思いませんか？ こんなメシア観や教祖観は、キリスト教・ユダヤ教になく、どんな宗教にもありません。原理では、イエス様は十字架の勝利により、万民の罪を贖罪し得る道を開拓された(Ｐ．423)とされています。イエス様も聖和後２０００年、地上に生きる人類救済のため歩まれてこられたのに、反対に、アボニムは聖和されて、霊界だけで働くなどというメシア観は、神の摂理から外れ、非聖書的であり、非原理的なのです。

韓氏オモニのメシア観は真逆であり虚偽なのです。文亨進二代王は、自分はただの後継者であり、アボニムがメシア・キリストであり、全てであると仰っています。アボニムを天宙のメシアとし、常に、その偉大なみ力に依拠します。二代王の水曜日の韓国語礼拝は、アボニムそのものです。アボニムが今、仰りたいこと、アボニムの今の救済計画、アボニムが現代人に教えたい哲学、政治観、経済観、人間観は、何なのか、必死で求めながら韓国語で語られている思いが、強い波動で伝わってきます。７時間、８時間、ぶっ続けで語られる姿は、アボニムの、今のみ心が何か、私たちに迫ってきます。これこそアボニムの真実の後継者のあるべき姿です。

サンクチュアリ教会は、キリスト教徒がイエス様に依拠するのとおなじ信仰をアボニムに持ちます。そして、成約摂理として、祝福など、アボニムの救済摂理と伝統を守っています。それが、統一教会の正統信仰です。アボニムが人類救済摂理の中心者であり、推進者なのです。韓氏オモニの書信は、こんなメシア・アボニム観は微塵もありません。まさに、正統信仰から大きく離脱した、メシア・アボニムを地上摂理から巧みに外し、役割を霊界だけに縛る異端信仰です。

書信の全体は、アボニムについて書いてあるというより、韓氏オモニについて書いてあります。よくお読みください。主人公は韓氏オモニです。アボニムを称賛するよりも、自分の行為の称賛のほうが圧倒的に多いのです。これは、独生女・韓氏オモニ中心で、決してメシア・アボニム中心ではありません。

本当に、家庭連合はおかしな宗教に堕してしまいました。キリスト教、仏教、儒教など、高度な宗教はみな、メシア、教祖、聖人を、救いの根源とし、常に、心の中心に置き、世界救済の中心に戴きます。霊界で神を慰労し自由になるというような、奇妙なメシア、教祖などいません。

書信の発表のおかしさは、鄭元周氏に読ませていることです。なぜ、自分で読まないのでしょうか。いつも、「独生女」の話しはしっかりするのに、どうして、アボニムに対する内容は、読まないのでしょうか。よく考えてください。韓氏オモニは、常に「独生女」を強調し、アボニムは、まれに「独生子」と言及するだけです。韓氏オモニに言わせれば、「独生女」があらわれないこんな文章は不本意なのです。更には、なぜ、こんな大事な文章に「独生女」があらわれないのでしょうか？ それは自明です。アボニムと韓氏オモニが言う独生女は両立しないものだからです。もし、「独生女」が、真理で、恵みある言葉ならば、この書信にも自然に書かれるはずなのです。

また、聖和７周年というのに、狡猾な狙いがあります。２０２０はアボニム生誕１００周年の年です。元来、それを期して、２０２０を定めました。しかし、韓氏オモニは、アボニムを言及しません。このように言及しなければ、２０２０の意義と大きく矛盾し、食口がおかしいと感じるのです。ですから、来年２０２０を迎える前に、韓氏オモニがアボニムを思っていることを示さなければなりませんでした。

わたしは、むしろ、この書信の最大の狙いは、家庭連合の食口に、無意識のうちに、アボニムに対する決別を強いるものだと思います。これから２０２０年にむけて、家庭連合は、アボニムを外し、露骨に、韓氏オモニ・独生女中心になると思います。そして、２０２０年には、アボニムから独生女に決定的に転換させようとしています。それを食口に疑問を抱かせないために、ここでアボニムを出し、皆に訓読させ、アボニムと韓氏オモニが一体だと印象付けようとしているのです。これが彼らの悪辣な教会異端化計画だと推測します。

◎　それでは、韓氏オモニの書信をお読みください。

愛するお父様！慕わしいお父様！いつも共にいらつしやるお父様!
お父様が天上に入城され、もう7年の歳月が流れました。この天宙に、あなたが流された汗と涙のしみ込んでいない所はありません。きようはひときわ、お父様が慕わしいです。

聖和される1年前、お父様は90歳を超えたお歳であるにもかかわらず、8回以上もアメリカに行かれましたね。ご自分の健康は全く顧みられず、ただ世界と人類のために歩まれました。「オンマ、この仕事を終わらせて時間ができたら、少し休もうね」と言われた言葉は、ついに地上では、かなうことがありませんでした。昼夜を分かたず、休まずに歩まれたお父様。私もまた、そのようなお父様に侍って生活しながら、生涯、（1日）3時間以上眠ったことがありませんでした。

2012年、暑夏。最後、病院に入院する時も、お父様は「まだすベきことが多いのに、病院で時間ばかり過ごしてどうするんだ！」と、入院を勧めた人たちをむしろ叱られましたね。まだすベきことが、たくさん残っていました。そして急いで天正宮博物館に戻り、「きょうはオンマと二人で向かい合つて食事をしたいね」とおっしゃったでしょう。その時、周りの食口たちはとても不思議に思ったはずです。いつも私と一緒に座り、食事をされていましたから。

その日、お昼の食膳を前にされたお父様は、さじを持とうともせずに、私の顔だけをじっと見つめていらっしやいました。お父様の心の中に、私の顔を刻みつけていらっしゃったのでしょう。私はほほ笑みながら、お父様の手にさじを取つてさしあげ、おかずを召し上がっていただきました。そして、そのお姿をじっと見つめました。私も、お父様のお顔を胸に刻みつけたかったのです。

ひときわ強い日差しが照りつける中、お父様は人の背丈以上のとても大きい酸索ボンベと共に、清平湖と清心中高等学校をはじめ、清平団地をすベて見て回られました。そして天正宮博物館に戻り、「天よ、祝福してください。終わりを結ベるように許諾してくださることをお願い申し上げます」という祈祷をされました。その後、録音機を持ってくるようにおっしゃり、「復帰摂理の使命をすベて成し遂げた」として最後の祈祷を、私と一緒に捧げられました。

それから、「オンマ、ありがとう！オンマ、頼んだよ」。お父線は息苦しそうにされながらも、「本当にすまない。本当にありがとう」と、続けて話されました。私はお父様の手をさらに固く握りしめ、慰労の言葉と眼差しで安心させてさしあげました。「何も心配しないでください」。お父様はそのようにして、天の父母様の懐に抱かれました。天聖山の本郷苑で、眠りに就かれました。

お父様の聖和後、私は明け方になれば、本郷苑に上がりました。秋には激しい風が吹き荒れ、冬には大ぶりの雪が降り積もります。休むベき理由と言い訳はいくらでもありましたが、1日も欠かさず、夜明けとともに本郷苑に上がりました。聖和後40日間、朝夕に、霊前に食事を捧げ、お父様が恋しくなれば、本郷苑まで何度も往復しながら、お父様とたくさんの会話を交わしましたね。そうして、お父様のお考えが私の考えになり、私の考えがお父様のお考えになりました。

暖かな日差しの日、風が吹く日、突然雷が鳴りどしやぶりの雨が降る日、ぼたん雪が空を真つ白に舞う日…それでも私は、お父様の聖和後、1095日間、一度も侍墓を欠かしませんでした。また、1970年代にお父様が歩まれたアメリカのラスベガスからニュ一ヨ一クまで5600キロを横断し、お父様と一緒に登ったアルプス山脈の12の峰に登りました。そうして、お父様と約束した「草創期の教会に返り、神霊と真理で教会を復興させる」という決意を固めました。

聖和3周年に私は、これからお父様が、今まで孤独であつた天の父母様(神様)を慰労してさしあげ、頌栄の対象として自由の身となられることを切に願いました。そしてお父様のために、天の父母様のために、2020年までに7カ国の国家の復帰を勝利することを決意しました。

東から西、南から北に、私は世界を抱くため、休む間もなく巡回しました。口の中がただれ、足がむくんで立っていることさえできない困難がありましたが、私は休むことができませんでした。お父様との約束、いくらみ旨が大変でも、私の代で終わらせるという約束を守るためでした。「必ずや私が成してさしあげる。そのために、私は変わることなく歩む」と、数え切れないほど自らに言い聞かせながら、生きてきました。

心にしみるほどあなたが恋しいときは、月を友として言葉を交わし、お父様のご聖体を前にして誓った約束、「私の生涯を終える日までに、天一国をこの地に定着させる」という決意を繰り返し固めながら、生きてきました。そのように生きてきたら、お父様、もう聖和7周年になりました。お父様はご存じですよね。

お父様の聖和後は、本当に言葉では言いようのない、「私だけが残りました」という立場でした。荒漠な砂漠に砂嵐が吹き荒れ、目を開けることもできない環境で、小さな針一つを探さなければならない心情でした。しかしお父様、私は探し出しました。探し出さなければならなかったのです。

「2020年までに7カ国を必ず復帰する」という私の決意、「すベての祝福家庭を神氏族メシヤとして天寶苑に入籍させる」という私の決意は、お父様のための、私の贈り物です。この贈り物が、そして天の父母様に対するあなたの孝情の生涯が、全世界に希望の光となることをお祈りします。お父様、愛しています!お父様、愛しています!

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