「点と点が綺麗につながり真実に至る話は、極端な単純化の産物に過ぎず、真実どころか全く全体を捉えられていない可能性が高い」
月刊正論10月号から引用します。
点と点が綺麗につながり真実に至る話は、極端な単純化の産物に過ぎず、真実どころか全く全体を捉えられていない可能性が高い
合理的・論理的なものに対し、 西部邁氏は誰よりも強い警戒感を持っていた。
西部氏は、東京大学教養学部教授などを歴任した経済学者であっ た。その経歴が示すとおり、卓抜した論理性・合理性を備えていた。専攻していた経済学は数学で表現され、その数学は論理の極北ともいえる存在なのだから、同氏が優れた論理性を備えているのは当然である。が、高い論理性・合理性を有したが故に、その欠陥に対して誰よりも敏感であり、そして苦しみながらも知的格闘を続けた生涯だったようにも思う。
一連の著作のなかで、西部氏は 合理性・論理性について、再三に わたって警鐘を鳴らしている。人間や社会を論理的・合理的に説明しようとすれば、経済学がそうで あったように単純化せざるを得ない。そして単純化すればするほど、その過程で様々なものがそぎ落とされていく。つまり、論理的・合理的であればあるほど、必然的により多くのものが抜け落ちていくため全体を捉え損ねている可能性が高く、注意を要するということだ。これが自然科学であれ ば、単純且つ実証的な論も成立しうるが、それを多面的で複雑な人間や社会に対して適用することの危険性を指摘しているのである。 こうした論に耳を傾ければ、点と点が綺麗につながり真実に至る話は、極端な単純化の産物に過ぎず、真実どころか全く全体を捉えられていない可能性が高いと判断できるように思う。
「陰謀論」を警戒する文章です。
二代王様の観点は、「陰謀論」に近いものです。
私は、二代王様の説教を信じますが、他の「陰謀論」に対しては慎重です。
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統一日報9月13日付から引用します。
(G20の)共同宣言で、西欧諸国が好んで使ってきた「規範に基づく秩序」ではなく、国連憲章と国際法に基づくと明言したのは、もはや西側諸国が自分勝手なことはできなくなった雰囲気を物語っている。 グローバルサウスは米・英など西欧の圧迫のため、国連でのロシア糾弾決議には賛成したものの、実際に制裁に参加した国はない。
論理的には、赤字と青字の違いが不明です。
その違いと、黒字との因果関係も不明です。
(*上を書いて時間が経ってから、赤字は「西側諸国が自分勝手に作る規範」という意味だと悟りました。
しかし、それは、論理的には、「規範」と呼べるものではありません。)
西側から見れば、ロシアがウクライナを侵攻し、クリミア半島やドンバスを占領したら、他国の領土の統合と主権を侵害したことになる。だが、西欧の恣意的行動を批判的な側から見れば、「クリミア半島とドンバスは、キエフ側から軍事攻撃を受けたため、住民投票によってロシアとの併合 ・帰属を決めた」のだ。 つまり、ロシアは国連憲章が決めている民族自決の原則に基づき、クリミア半島とドンバスを併合しただけだ。
国連憲章は、青字だけでなく赤字に関する規範でもあるはずです。
国連憲章は、黒字の事実認定に関しては中立であるはずです。
私は、統一日報を、日米韓協議会の機関紙的なものとして、尊重しています。
しかし、それは「論理」によるものではありません。